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【書評】『がんばらなくても死なない』(評者:加藤隆行/心理カウンセラー)

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加藤隆行さま(心理カウンセラー)より、ノミネート作品の書評をお届けします!
(書評一覧はこちら

がんばらなくても死なない
竹内絢香 著
KADOKAWA
2020年7月発売

<メンタル本大賞実行委員会より>
加藤隆行さまは、「メンタル本大賞2021」ノミネート作品『「会社行きたくない」と泣いていた僕が無敵になった理由』(小学館クリエイティブ)の著者ですが、このたび実行委員会の活動にご賛同いただき、書評を寄稿いただけることとなりました。心よりお礼申し上げます。

※加藤さまは、ノミネート作品の選考には携わりません。

書評

「疲れた心が楽になる本」を選出する【メンタル本大賞 2021】のノミネート作品から読みたいものをピックアップして感想を述べます。

【もうがんばれない!という人へ】

「24時間働けますか」というCMが日本を席巻したのは1988年、ちょうど昭和の終わり。

あれからすでに元号は2度変わり、労働基準法の改定や、企業へのメンタルヘルスチェックの導入など、昔のように「とにかくがんばる」「がんばりが美徳」という時代は“物理的”には終わりを告げ始めました。

しかし社会にはまだまだその風潮は残り続けています。

なぜならば「24時間働いてきた最後の世代」が親や先生となり、その価値観を教育され引き継いできた子供たちが、いままさに社会のメインストリームで働いているからです。

たぶんこの本の著者竹内さんも、そんな世代。

がんばりすぎOLから、夢であった漫画家へと転身。
ひとりで気楽に働ける環境に身を置いてもみても、がんばりがやめられない。

サラリと読めるお気軽なマンガでありながらも、そんな時代の根深さみたいなものを感じました。

自分を取り戻していく過程の“あるある”が満載

がんばれていない自分に罪悪感を感じ、無理して働いてはグッタリしてしまう。
人と比較しては自信をなくし、自己嫌悪で動けなってしまう。

そんな状態だった著者さんが、

「なんだ、そんな無理しなくてよかったんだ」

と自分を取り戻していく過程が“あるある”満載で描かれています。

著者さんの日常を切り取り

「私もまだまだ自信がないんだけど、いつもこんな風に考えてるよー」

と、等身大で優しく伝えてくれるエピソードがいっぱいです。

今の10代の若者ならば「死ぬまでがんばるなんてありえな~い」と思うと思います。
しかし私たちの世代(30〜50代)は「がんばること」への価値観の変遷期にいます。

私もモーレツ社員からフリーランスとなり著者さんと同じような道を辿ってきているので、たくさんの言葉が染みました。

上司からもらった言葉

毎日徹夜で10円ハゲまで作ってしまった上司から著者さんがもらった言葉。

「だから竹内さんは、絶対そんなふうになるまで働いちゃダメだよ」

これを読んで、ああ時代は優しい方に向かっているな、と感じました。

その一方、好きなマンガ家になった自分について「「好き」は呪い(笑)」と書かれていたのも、面白く、印象的でした。

「私、がんばれていない」と自分を責めてしまう人にぜひ読んでもらいたい本。
全編ライトタッチなマンガだから、がんばらなくても読めますよ!

かとちゃんは、メンタル本大賞を応援しています(^ω^)
☆「メンタル本大賞」読者投票受付中!8/31まで

出典:加藤隆行さまFacebook投稿(2021年7月29日)

評者プロフィール

メンタル本大賞2021 ノミネート作品著者
加藤隆行(かとう・たかゆき)

1971年生まれ。愛知県名古屋市出身。
福井大学大学院工学研究科卒業後、SE としてNTTに入社。インターネット黎明期よりOCNなど関連サービスの企画開発に携わる。激務の中、30 歳のとき体調が激烈に悪化。3 度の休職と入退院を繰り返し、しだいに自身のココロと向き合うようになる。
2015 年に退職し、心理カウンセラーとして独立。「自分自身と仲直りして優雅に生きる」をコンセプトに、全国でカウンセリングやセミナーを開催している。

これまでの著書に『「会社行きたくない」と泣いていた僕が無敵になった理由』『「また怒ってしまった」と悔いてきた僕が無敵になった理由』(ともに小学館クリエイティブ)があり、第3弾となる今作は、過去2作で解説した理論をより具体的かつ実用的な内容に落とし込んだ“実践編”となる。

「会社行きたくない」気持ちがゆるゆるほどける本
加藤隆行 著
小学館クリエイティブ
2021年4月発売

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メンタル本大賞実行委員会によるインタビュー
著者の加藤隆行さん、編集者の寺澤薫さん(本作品を担当:小学館クリエイティブ)と酒井徹さん(過去2作品を担当:同)にお話をうかがいました!

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