【メンタル本大賞2022】
「メソッド・考えかた部門」審査コメント
「メソッド・考えかた部門」ノミネート作品
1日3分でうつをやめる。 川本義巳 著 扶桑社 2019年10月発売 |
悩み方教室 河田真誠 著 CCCメディアハウス 2021年4月発売 |
なぜ、あなたの思っていることはなかなか相手に伝わらないのか? 西剛志 著 アスコム 2021年6月発売 |
つよつよメンタルで人生は思い通り 三木未希 著 KADOKAWA 2021年10月発売 |
ココロちゃんの取扱説明書(トリセツ) 古山有則 著 あさ出版 2021年12月発売 |
「メソッド・考えかた部門」評価結果・作品別コメント
1位 | 30 pt | なぜ、あなたの思っていることはなかなか相手に伝わらないのか? 西剛志 著 アスコム |
2位 | 20 pt | 1日3分でうつをやめる。 川本義巳 著 扶桑社 |
3位 | 10 pt | 悩み方教室 河田真誠 著 CCCメディアハウス |
30pt:『なぜ、あなたの思っていることはなかなか相手に伝わらないのか?』
なぜ、あなたの思っていることはなかなか相手に伝わらないのか? 西剛志 著 アスコム 2021年6月発売 |
評価ポイント
- 脳科学の視点でコミュニケーションの概念が分かる
- 専門用語が分かりやすく解説されていて読みやすい
- 認知バイアスを意識する大切さを学べる
評価理由
本書は脳科学者である西先生が執筆されており、「人生がうまくいく人といかない人の最大の違いはコミュニケーションにある」ことを前提に認知バイアスのお話がとても分かりやすく書かれています。
相手が見ている世界と自分の見ている世界の違いに気が付けることや、脳にはタイプが存在しそのタイプの違いが分かりあえない原因になることなど、とても興味深い内容が多かったです。
心を理解するうえで脳を理解する事は必須だと考えているので、ぜひ多くの方に読んで頂きたいと感じた一冊でした。
20pt:『1日3分でうつをやめる。』
1日3分でうつをやめる。 川本義巳 著 扶桑社 2019年10月発売 |
評価ポイント
- うつで心が不調な人が読みやすいように書かれている
- 独自プログラムがあり効果が高い
- 1時間程度で読み切れる
評価理由
うつ状態やネガティブ思考が止まらない人にとてもおすすめな一冊です。
本書は著者の川本義巳さん自身がうつ病になってから開発したうつぬけメソッド「メンタル・リセット・プログラム」の内容を中心にそのやり方を開設した本となっています。
このメソッドの特徴はネガティブ思考や反芻を防ぐのではなく、それを持続させない効果が高い事です。
不安が強い日や反芻がある日に行うことで、反芻や不安から抜け出せます。
認知行動療法を実践レベルで体系化しているので、ぜひ心に悩む人に実践してほしいと思います。
10pt:『悩み方教室』
悩み方教室 河田真誠 著 CCCメディアハウス 2021年4月発売 |
評価ポイント
- 悩みの捉え方が変わる
- 幅広い読者層がいる
- 50個もの悩みの向き合い方を学ぶことができる
評価理由
皆さんは「悩む」と「考える」の違いを説明できますでしょうか。
「悩んでいる」とは解決策がある場合、無い場合に限らず、自分ではどうしようもないことで頭が満たされている状態です。
人間の悩みの90%は人間関係と言われるのは、まさに自分でコントロールできないからだと思います。
本書には、悩み自体は自分が行動して決着をつけるまでは自然に消えることがないということを前提に50種類の悩みとの向き合い方が書かれています。
ストレス社会のいまだからこそ、悩み解決のバイブルとして手にとってほしいなと思います。
「メソッド・考えかた部門」総評
「メソッド・考え方部門」でノミネートされた作品は、心や脳の捉え方に加えて原理原則に基づく苦しさへの対応法が分かりやすく書かれているものが多く、私自身とても学びになるものばかりでした。
今回紹介できなかった『つよつよメンタルで人生は思い通り』『ココロちゃんの取扱説明書(トリセツ)』についても、とても愛着が沸くかわいい絵や対話形式での分かりやすいエピソードトークを踏まえた心のほぐし方が解説されており、あっという間に読み込んでしまいました。
どの書籍にも共通しているのは、心に不調を抱えた人の目線で書かれていることです。
活字を読むのも厳しい状況を想定した著者の優しさを垣間見ることが出来ました。
まさに「今苦しいあなた」へ届けたい内容ばかりでした。
ご協力いただいた著者・出版社の皆様。
あらためてとても素敵な書籍をありがとうございました。
メンタル本大賞でご紹介された書籍が自分の本当の気持ちに向き合うきっかけとなって、多くの方の心が軽くなることを心より祈念しております。
選考委員プロフィール
きょう
静岡県出身。大学院を卒業後、外資系製薬会社に入社し研究職として勤務。幼少期の家庭事情から心の問題にも強い関心がある。現在は、会社員として創薬研究に携わりつつSNSを用いた情報発信に取り組み、心身の健康に貢献する活動もしている。Twitterでは「科学的根拠に基づいたメンタルケア」を主に発信中。
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