はじめに
どうかこのように思わないでください。
「評価の低い作品だから読む価値がないのかな」と。
そして、メンタル本大賞サイトで取り上げることができなかった作品の中にも、たくさんの良書が存在することを忘れないでください。
実行委員会の想い
今年は20作品をノミネートいたしましたが、まず16作品を実行委員会で選び、残りの4作品は出版社エントリーで追加いたしました。
前者については、「メンタル本の中で “トップ・オブ・トップ”」と考えて選びましたが、世に存在するすべてのメンタル本を読んで決めたわけではありません。
そして後者については “わが社の自信作” と言えるものをエントリーいただいたと思いますが、短いエントリー期間内にたまたまメンタル本大賞のエントリーを受け付けていることを知った出版社さまだけがエントリーできたのだと思います。
もしかすると私たち「実行委員会の活動がまだ信頼に値しない」とお考えの出版社もおありだったと思います。
だから私たちは作品を選ぶ立場にないのかもしれません。
力不足は否めません。
その前提でお読みいただければ幸いです。
発表への想いは一番最後に述べたいと思います。
メンタル本大賞実行委員会
審査基準
ノミネート作品の選考観点
- 読みやすさ
- 読者層の幅広さ
- コンセプトの一貫性やオリジナリティ
- しんどい・生きづらいと感じている方へのメッセージのあたたかさや優しさ
- 読者やメンタル本大賞サイトのビジターからの評価やコメント内容
- 著者・出版社の作品に対する想いや熱量(作品の企画目的・執筆意図など)
- メンタルヘルスの啓蒙活動に対する協力姿勢
①~⑥を選考委員による審査基準とし、ポイント制で評価いたしました。
複数作品が同ポイントで並んだ場合に限り、ノミネート作品を選定する際に使用した<観点⑦>をふまえて、協議決定いたしました。
付与ポイント数
1位 | 30 pt | 審査対象において一番評価が高い |
2位 | 20 pt | 審査対象において二番目に評価が高い |
3位 | 10 pt | 審査対象において三番目に評価が高い |
<大賞>審査結果
受賞候補作品
【メンタル本大賞2022】全ノミネート作品
審査に携わった選考委員
<大賞>決定につきましては、メンタル本大賞の創設理念から「医師・カウンセラーなどのメンタルヘルスに携わる専門家の方」に携わっていただきました(五十音順)。
- きょうさま(製薬会社 主任研究者) 心理カウンセラー
- 佐々木戸桃さま(文筆家・セラピスト)
- 寺田真理子さま(日本読書療法学会会長) 心理カウンセラー
- めんたさま(作業療法士) ケアストレスカウンセラー
審査結果(獲得ポイント数)
<大賞>を授与したい作品を上記4名の選考委員に3作品ずつ、ポイント制で挙げていただいた結果となります。
順位 | ポイント | 作品名 |
① | 120 | セルフケアの道具箱 |
② | 40 | がんばらないことをがんばるって決めた。 |
③ | 30 | この会社ムリと思いながら辞められないあなたへ |
④同 | 20 | あなたが死にたいのは、死ぬほど頑張って生きているから |
④同 | 20 | 要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑 |
⑥ | 10 | 毎日みるだけ! 自己肯定感365日BOOK |
受賞作品
『セルフケアの道具箱』
セルフケアの道具箱 伊藤絵美 著/細川貂々 イラスト 晶文社 2020年7月発売 |
<最優秀賞>受賞理由
受賞候補作品
【メンタル本大賞2022】部門賞(後述)の5作品
決定方法・理由(実行委員会)
実行委員会にて決定いたしました。
部門賞5作品の中で、著者の読者への想いと編集担当の熱量を一番強く感じました。
多くの読者に救いの手を差しのべる、非常に貢献度の高い作品として<最優秀賞>に選ばせていただきました。
受賞作品
『この会社ムリと思いながら辞められないあなたへ』
この会社ムリと思いながら辞められないあなたへ 井上智介 著 WAVE出版 2021年9月発売 |
<部門賞(優秀賞)>「人生・生きかた部門」審査結果
受賞候補作品
【メンタル本大賞2022】「人生・生きかた部門」ノミネート4作品
審査に携わった選考委員
選考委員の皆さまのご希望をふまえて、下記3名にお願いしました(五十音順)。
*リンクより審査コメントがご確認いただけます。
審査結果(獲得ポイント数)
順位 | ポイント | 作品名 |
①同 | 70 | あなたが死にたいのは、死ぬほど頑張って生きているから |
①同 | 70 | もしあと1年で人生が終わるとしたら? |
③同 | 20 | 「死にたい」「消えたい」と思ったことがあるあなたへ |
③同 | 20 | 今日こそ自分を甘やかす |
上位2作品が同ポイントで並んだため協議決定しました。
難しい判断となりましたが、『あなたが死にたいのは、死ぬほど頑張って生きているから』のインパクトのあるタイトル、発するメッセージ(著者の平光源さまの「死んでもいいよ」という “死ぬことも選択肢の一つ” というメッセージなど)はかつてないオリジナリティを強く感じる作品でした。
わかりやすい比喩が多用されて読みやすく仕上がっていることも評価につながりました。
平さまは他ノミネート作品の書評を精力的にご寄稿いただいて、自著以外のメンタル本をも広めたいというお気持ちや「メンタルヘルス啓蒙・協力姿勢」がより伝わってきて、貢献度が突出していました。
『もしあと1年で人生が終わるとしたら?』の発行元のアスコムさまには、日ごろから私たちの活動をご支援いただいており、改めて心より御礼申し上げます。
受賞作品
『あなたが死にたいのは、死ぬほど頑張って生きているから』
あなたが死にたいのは、死ぬほど頑張って生きているから 平光源 著 サンマーク出版 2021年4月発売 |
<部門賞(優秀賞)>「体験・エピソード部門」審査結果
受賞候補作品
【メンタル本大賞2022】「体験・エピソード部門」ノミネート5作品
審査に携わった選考委員
選考委員の皆さまのご希望をふまえて、下記2名にお願いしました(五十音順)。
*リンクより審査コメントがご確認いただけます。
- 平光源さま(精神科医)
参考コメントを審査形式にて頂戴いたしました(下記ポイントには加算しておりません)。
審査結果(獲得ポイント数)
順位 | ポイント | 作品名 |
① | 50 | がんばらないことをがんばるって決めた。 |
② | 40 | 僕たちはもう帰りたい |
③ | 20 | “寝る前に5分”読むだけで「不安」がスーッと消え去る本 |
④ | 10 | もうあかんわ日記 |
⑤ | - | 発達障害サバイバルガイド |
受賞作品
『がんばらないことをがんばるって決めた。』
がんばらないことをがんばるって決めた。 考えるOL 著/おさつ イラスト KADOKAWA 2021年11月発売 |
<部門賞>「実践・ワーク部門」審査結果
受賞候補作品
【メンタル本大賞2022】「実践・ワーク部門」ノミネート3作品
審査に携わった選考委員
選考委員の皆さまのご希望をふまえて、下記5名にお願いしました(五十音順)。
*リンクより審査コメントがご確認いただけます。
審査結果(獲得ポイント数)
順位 | ポイント | 作品名 |
① | 150 | セルフケアの道具箱 |
② | 80 | 生きづらいがラクになるゆるメンタル練習帳 |
③ | 70 | 毎日みるだけ! 自己肯定感365日BOOK |
受賞作品 ※大賞
『セルフケアの道具箱』
セルフケアの道具箱 伊藤絵美 著/細川貂々 イラスト 晶文社 2020年7月発売 |
<部門賞(優秀賞)>「メソッド・考えかた部門」審査結果
受賞候補作品
【メンタル本大賞2022】「メソッド・考えかた部門」ノミネート5作品
審査に携わった選考委員
選考委員の皆さまのご希望をふまえて、下記3名にお願いしました(五十音順)。
*リンクより審査コメントがご確認いただけます。
審査結果(獲得ポイント数)
順位 | ポイント | 作品名 |
①同 | 40 | ココロちゃんの取扱説明書(トリセツ) |
①同 | 40 | 悩み方教室 |
①同 | 40 | つよつよメンタルで人生は思い通り |
④同 | 30 | 1日3分でうつをやめる。 |
④同 | 30 | なぜ、あなたの思っていることはなかなか相手に伝わらないのか? |
上位3作品が同ポイントで並んだため協議決定しました。
難しい判断となりましたが、『ココロちゃんの取扱説明書(トリセツ)』に決定した理由は、自分の内面を擬人化してココロちゃんと名付けて解説している「わかりやすさ」と「読みやすさ」。
そして、発行元のあさ出版さまの継続的にメンタル本大賞の活動をご支援いただいているお気持ちが他2作品よりも「メンタルヘルス啓蒙・協力姿勢」として強く伝わってきました。
『つよつよメンタルで人生は思い通り』の著者、三木未希さまにも積極的にメンタル本大賞を応援いただきました。
心より御礼申し上げます。
今後、継続的に活動をご一緒できたら大変嬉しいです。
受賞作品
『ココロちゃんの取扱説明書(トリセツ)』
ココロちゃんの取扱説明書(トリセツ) 古山有則 著 あさ出版 2021年12月発売 |
<部門賞>「職場・仕事部門」審査結果
受賞候補作品
【メンタル本大賞2022】「職場・仕事部門」ノミネート3作品
審査に携わった選考委員
選考委員の皆さまのご希望をふまえて、下記4名にお願いしました(五十音順)。
*リンクより審査コメントがご確認いただけます。
審査結果(獲得ポイント数)
順位 | ポイント | 作品名 |
①同 | 100 | この会社ムリと思いながら辞められないあなたへ |
①同 | 100 | 要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑 |
③ | 40 | 「会社行きたくない」気持ちがゆるゆるほどける本 |
上位2作品が同ポイントで並んだため協議決定しました。
非常にハイレベルの作品で大変苦しい判断を求められました。
冒頭触れた7つの審査基準「①読みやすさ」「②読者層の幅広さ」「③コンセプトの一貫性・オリジナリティ」「④メッセージのあたたかさ・優しさ」「⑤読者やサイトビジターからの評価・コメント」「⑥作品に対する想い・熱量」「⑦メンタルヘルス啓蒙・協力姿勢」どれをとっても僅差で何度も再点検をして決定いたしました。
しかしながら、『この会社ムリと思いながら辞められないあなたへ』については、読者を救いたいという並々ならぬ想いが著者の井上智介さん、WAVE出版の編集者の吉田ななこさんの両者から伝わってきて大変印象に残りました。
協力姿勢という面で、今年の関わり方の濃度が『要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑』に勝ったように感じました。
昨年の活動当初から多大なるご支援いただいているサンクチュアリ出版さまに改めて心より御礼申し上げます。
受賞作品 ※最優秀賞
『この会社ムリと思いながら辞められないあなたへ』
この会社ムリと思いながら辞められないあなたへ 井上智介 著 WAVE出版 2021年9月発売 |
特別賞(ハイポテンシャル賞):受賞理由
受賞作品(実行委員会による決定)
『「死にたい」「消えたい」と思ったことがあるあなたへ』
「死にたい」「消えたい」と思ったことがあるあなたへ 河出書房新社 編 河出書房新社 2020年11月発売 |
実行委員会にて決定いたしました。
発行元の河出書房新社「14歳の世渡り術」シリーズの中の1作品。
若年層向けと位置付けられながらも、大人を含む幅広い読者層に広げられる可能性を秘めた作品。
テーマやタイトルからぜひ電子版の発売を強く願いたい(2022年10月時点で紙版のみ)。
この賞により、まだ届いていない苦しんでいる方々に、作品の存在を伝えたいと強く感じ、授与を決めました。
『発達障害サバイバルガイド』
発達障害サバイバルガイド 借金玉 著 ダイヤモンド社 2020年7月発売 |
実行委員会にて決定いたしました。
既にベストセラーでありながらも、更なる別の読者層にまで広げられる可能性を秘めた作品。
タイトルに「発達障害」と書かれていることや原色を使ったカバーデザインなどから、一部の読者層から敬遠されてしまう可能性を感じました。
この賞により、発達障害以外の方にも役立つ読みやすい内容であること、カバーの強いトーンからは伝わりにくい著者の優しさを知って欲しいと強く感じ、授与を決めました。
特別賞(著者MVP賞):受賞理由
受賞作品(実行委員会による決定)
『1日3分でうつをやめる。』
1日3分でうつをやめる。 川本義巳 著 扶桑社 2019年10月発売 |
実行委員会にて決定いたしました。
ノミネート作品著者でありながら、他ノミネート作品の書評を10本も寄稿。
純粋にメンタル本の存在をより多くの人に届けたい、救いの手をさしのべたいとの想いで情報発信し続けた川本義巳さんの貢献を称えたいと考えて授与を決めました。
著書に書かれている「メンタル・リセット・プログラム」(いきなりポジティブから入るのではなく、まず「ネガティブを止める」から入るなど)は川本さんご自身がうつで苦しんだ経験をもとにして考案されたもので、作品とともに伝えていきたいと思いました。
特別賞(浜口順子賞):受賞理由
受賞作品(実行委員会による決定)
『毎日みるだけ! 自己肯定感365日BOOK』
毎日みるだけ! 自己肯定感365日BOOK 中島輝 著 SBクリエイティブ 2021年11月発売 |
実行委員会にて決定いたしました。
「メンタル本大賞2021」の大賞・優秀賞作品を読んでくださり、感想コメントをいただいた 浜口順子さま(タレント)の 「2022ノミネート作品を読み比べてみました!」企画 で “イチオシ” とのことで授与いたしました。
発表を終えて
ご協力いただきました皆さまへ
申し訳ございません。
ご協力内容のすべてについて触れることができておらず、「ご協力いただけなかった」と受け取られてしまうことを危惧しております。
多くの出版社の皆さまから無償で書籍をお譲りいただいたり、コンテンツ作成への多大なご協力をいただきましたことを改めて心より御礼申し上げます。
この発表以降も受賞したか否かにかかわらず、苦しんでいる方々にメンタル本の情報をお届けする活動を続けて、コンテンツの充実に励みます。
どうか長い目で私たちを見守っていただけると嬉しいです。
“選ぶ” ことに対する抵抗感とジレンマ
「他者と比較しない」
これは、数多くのメンタル本でも伝えられているメッセージなので、順位付けしている私たち自身、常にジレンマを抱えながら活動しています。
なぜ順位付けしているのか?
それは、私たちが “読者ファースト” で考えているからです。
メンタル本の読者は、陥っている苦しい状況を何とかして抜け出したい……
その手がかりを求めていると思います。
しかしながら、彼ら(私たち)はしんどい時は文字を読むことも負担に感じますし、たくさんの本を読み比べることも難しいです。
これだけ巷の書店に大量のメンタル本 があふれていると、とても探す気になれません。
疲れ切ってヘトヘトになっている人ほどそうだと思います。
受賞作品を決めることの意義を信じて
もともと本を読み慣れていない人が自分に合わない本に出会ってしまう悲劇(心に与えるダメージ)を考えたとき、メンタル本を多読している私たちは「何か役に立てないか」という考えに自然に至りました。
冒頭に述べたとおり、実行委員会はまだまだ力不足です。
しかしながら、たとえ何らかの基準で選んだ意図的なセレクションであったとしても、「読者にとって自分に合ったメンタル本を選びやすくなるなら…」との想いで活動を続けていきたいと思います。
掲載書評は100本を超えました!
私たちの活動は「コンテスト」というよりはむしろ「書評サイト」に近いのかもしれないと最近気づきました。
本には相性があるので、ぜひサイトに掲載されている「書評」を読んで自分に合う本を探して欲しいと思います。
どうかご自身の身体と心をいたわってあげてください。
ご家族や大切にされている皆さまとともに、笑顔で気持ち良い日々をお過ごしになれますように心よりお祈り申し上げます。
メンタル本大賞 実行委員会
改訂:2023年2月11日
初掲:2022年10月9日